活用法・活用例
分野別: 環境分野

一次処理後のカドミウム、鉛、銅、亜鉛などの重金属除去

環境分野

環境改善の分野においてもイオン交換樹脂は広く利用されています。
排水基準に定められている、カドミウム、鉛、銅、亜鉛などを含有する重金属排水の処理は凝集沈殿法により大部分が除去されますが、その後段でさらに確実にこれらを除去する為にキレート形イオン交換樹脂が用いられています。
代表的なキレート樹脂としては、イミノジ酢酸形、アミノリン酸形などが有ります。

メリット・特徴

代表的なキレート樹脂の構造

イミノジ酢酸形キレート樹脂
アンバーセップ™ IRC748
イミノジ酢酸形キレート樹脂 アンバーセップ™ IRC748
アミノリン酸形キレート樹脂
アンバーセップ™ IRC747UPS
アミノリン酸キレート樹脂 アンバーセップ™ IRC747

イミノジ酢酸形キレート樹脂の性質は pH により異なり pH4 の水溶液では次のような選択性を示します。 Fe3+> Hg2+> Cu2+> Pb2+> Ni2+> Zn2+> Cd2+> Co2+> Fe2+> Mn2+> Ca2+> Mg2+≫ Na
また pH9 では, Co2+> Ni2+> Cd2+> Cu2+> Zn2+> Ca2+> Mg2+≫ Na > NH4+ となります。

 pH4 の水溶液でのイミノジ酢酸形キレート樹脂の性質

ホウ素選択性陰イオン交換樹脂

ホウ素選択性陰イオン交換樹脂
アンバーセップ™ IRA743
ホウ素選択性陰イオン交換樹脂 アンバーセップ™ IRA743 構造式

ホウ素はホウ酸の形で天然の鉱石中等に存在し、原子炉の遮蔽材や放射性物質保管容器の合金などに利用され、植物にとっても大切な必須元素ですが、過剰のホウ素は植物の成長阻害や動物にとっても障害を起こす恐れがあるとして排水規制が実施されています。

ホウ素は遊離の状態では存在せずホウ酸またはホウ酸塩の形で溶解しており、強塩基性陰イオン交換樹脂でも除去することは出来ますが、共存する他の陰イオンに比較して選択性が低いので、排水中のホウ素だけを選択的に吸着し除去するには、ホウ素選択性陰イオン交換樹脂を用いることが有効です。

アンバーセップ™IRA743は、ホウ素と特異的な反応をするグルカミン基を官能基に持つ、ホウ素選択性陰イオン交換樹脂として、排水中のホウ素を選択的に除去することが出来ます。 ホウ素選択性陰イオン交換樹脂は、ヒ素、セレンなどについてもホウ素と同様に除去出来ることが報告されています。

キレート樹脂とは
キレート(Chelate)とはギリシャ語の「かにのはさみ」に由来する言葉で、キレート樹脂は普通のイオン交換とは異なり、キレート結合により金属イオンを選択的に捕捉します。
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