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超純水用イオン交換樹脂の用途  超純水用イオン交換樹脂は半導体業界で使用されています。半導体集積回路の製造工程では、ウエハ洗浄のために多くの超純水が必要であり、その超純水製造に用いられる水処理材のひとつにイオン交換樹脂が […]

コラム

超純水用イオン交換樹脂とは?

超純水用イオン交換樹脂の用途

 超純水用イオン交換樹脂は半導体業界で使用されています。半導体集積回路の製造工程では、ウエハ洗浄のために多くの超純水が必要であり、その超純水製造に用いられる水処理材のひとつにイオン交換樹脂が使われます。

超純水用イオン交換樹脂の必要性

 ウエハ洗浄において洗浄水中の不純物は集積回路の品質を左右します。よってイオン交換樹脂を含む水処理材からは、有機物や微粒子、金属などの溶出物をなるべく抑える必要があります。超純水用イオン交換樹脂は溶出物を極限まで低減させた製品であり、半導体デバイスの安定的な製造に貢献します。

超純水製造工程内のイオン交換樹脂

 下記に超純水製造工程の一例を示します。大きく分けて前処理工程、一次純水製造工程、サブシステムから成り立ちます。イオン交換樹脂は、一次純水工程やサブシステムの最終工程で多く使用されます。

超純水用イオン交換樹脂の製品紹介

 オルガノの超純水用イオン交換樹脂は、独自の精製技術により極限まで溶出を低減した製品です。製品は性質や用途によって複数の種類を用意しています。下記の表の通り、陽イオン交換樹脂もしくは陰イオン交換樹脂のみから構成される製品や、両方のイオン交換樹脂が混ざった混合樹脂、ホウ素選択性樹脂があります。

超純水用イオン交換樹脂

品目名分類母体構造
ESG1024(H)強酸性
陽イオン交換樹脂
ゲル型
ESG4002(OH)Ⅰ型強塩基性
陰イオン交換樹脂
ゲル型
ESP-1混合樹脂
(混合比=1:1)
ゲル型
ESP-2混合樹脂
(混合比=1:2)
ゲル型
EG-290-HG混合樹脂
(混合比=1:1)
マクロポーラス型
EG-4A-HG混合樹脂
(混合比=1:1)
ゲル型
EG-5A-HG混合樹脂
(混合比=1:2)
ゲル型
ORLITE X-U653Jホウ素選択性樹脂マクロポーラス型

※混合比=陽イオン交換樹脂:陰イオン交換樹脂

ESG1024(H), ESG4002(OH) (番号①, ②)

 ESG1024(H)は強酸性陽イオン交換樹脂、ESG4002(OH)型強塩基性陰イオン交換樹脂の単一樹脂になります。それぞれカチオン物質、アニオン物質の除去に使用できます。

上図にある一次純水システム内では1次ポリッシャーとして使用されます。

ESPシリーズ(番号③, ④), EGシリーズ(番号⑤~⑦)

 陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂が混合された製品になります。超純水製造のファイナルポリッシャーとして使用されます。上記ESGシリーズと異なり、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂が混合された状態で販売しています。

 陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の体積混合比が1:1である製品と、陰イオン交換樹脂の比率が大きい1:2である製品があります。比率が1:2である製品は、微量シリカの除去や弱酸漏出を防ぐ場面に適しています。

 EGシリーズとESPシリーズは精製グレードが異なり、ESPシリーズは製品からの溶出物が最も抑えられた最高品質な製品になります。下記のグラフはESPの初期の通水時間と抵抗率、TOCの関係を示す一例です。ESPシリーズが非常に低溶出であることを示します。

ORLITE X-U653J (番号⑧)

 ホウ素は超純水中で濃度低減が困難といわれる元素のひとつです。ORLITE X-U653J は、ホウ素を選択的に吸着する機能を持ち、超純水中のホウ素濃度を ppt レベルに低減することが可能です。

最後に

製品によって様々な特徴があり、用途やニーズに合わせた製品選択が可能です。
イオン交換樹脂に関するご相談は問い合わせフォームよりお問い合わせください。
また、イオン交換樹脂はオルガノオンラインストアよりお求めいただけます。

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